こんにちは! ‟ささぼう”です!
僕は普段、科学館の学芸員として働いています。
科学館には、大人からも、子どもからも、科学に関する質問がたくさん寄せられます。
僕も10年間でたくさんの質問を受けてきました!
「こんな実験(工作)をしてみたいんだけど、どこで材料売ってるの?」とか、
「あの星って、なんて星?」とかが多いのですが、たまにものすごく鋭い質問が飛んできます。
僕が答えてきた質問の中で、「この子は天才か!?」と思ったものを3つ紹介します。
①宇宙に空気はないのに、なんで太陽は燃えているの?
燃焼をテーマにしたサイエンスショーをした時、小学校1年生の子から受けた質問です。
小学校低学年をターゲットにしたショーだったので ‟酸素” までは踏み込まず、
「物が燃えるためには空気が必要だよ!」というように展開したところ、こんな質問が来ました。
確かにそう思うよね!
学んだことを、即座に応用できる子でした。
燃えるという現象は、激しい酸化現象です。
ざっくり言うと、燃えるものと酸素が、高い熱をきっかけにして手を繋ぐときに、光と熱を出します。
一方で、太陽で起きているのは核融合です。
複数の水素が融合して、ヘリウムに変身します。その際に、光と熱を出します。
どちらも見た目の現象が似ているのですが、全く違う現象なのです。
原子が初登場するのは、中学校1年生。その子にはまだ「原子」という概念はありません・・・。
小学校1年生になんて言えばいいんだ?
結局その子には、
「太陽は、燃えているように見えるけど、そうじゃないんだよ。太陽では違うことが起きていて、たまたま燃えているように見えるんだよ」
と説明しました。
②なんで地球は回っているの?
これは小学校3年生くらいの子から受けた質問です。
僕たちは「当たり前」だと思っていることに疑問を持つなんて、ほんとに素晴らしいですよね!
これは地球のでき方に関係しています。
地球は宇宙空間に漂っていたチリや岩石が、ぶつかりながら合体して大きくなったと考えられています。
その時、どうしても少し‟ずれて”ぶつかってしまい、結果、回転が生まれます。
その時の回転が今でも残っているんです!
宇宙には地球の回転を止める力がほとんど無いんですね。
その子には、
「歩いてすれ違う時に手を繋ぐと、回転しちゃうよね!それが今も残っているんだよ。」
と説明して、実際に手を繋ぐ実験をしてみました。
③なんで晴れると寒くなるの?
小学校3年生くらいの子だったのですが、天気予報で「放射冷却で気温が下がり~」という言葉を聞いて疑問に思ったとのことです。
「昼は晴れてた方が暖かいのに、なんで朝は寒くなるんだろう?」と。
身近なことと比較して、その違いに気づけるなんてすごい!
昼間は日光が地面を温めます。そのため、昼間は晴れていた方が暖かいのです。
しかし、夜は日光が無いため、地球からは熱がどんどん逃げていきます。
雲はその熱が逃げにくくしてくれるので、夜は曇っていた方が暖かいのです。
その子には、
「雲が布団のようになっているんだよ! 布団掛けないで寝ると、朝すごく寒いよね。」
と説明しました。
まとめ
子どもから受けた、すごい質問を3つ紹介しましたが、いかがでしたか?
先入観が無いからなのか、大人なら「常識」ですませてしまうことにも疑問を持ちます。
そんな子たちの質問に、できるだけ誤解なく答えられるよう、日々、伝えるスキルを鍛えていかなければならないなと、思わされます。
あとから、もっと上手く説明できたかな?ということも多くて・・・。
子育て中のパパさんとママさんも、なんて説明したらよいかわからない質問を、子どもから投げかけられることがあると思います。
そんな時は、ぜひ近くの科学館をご利用ください!
スタッフは喜んで対応してくれると思いますよ!
また、僕のツイッターか、このブログの問い合わせでコメントいただければ、できる範囲でアドバイスさせていただきます。
「ささぼう でもいいよ!」という方は、ぜひお声がけください!
(もしかしたら、ツイッターのネタにさせていただくかもしれませんがww)
さて、このブログでは、楽しい工作をたくさん紹介しています。
他の記事も読んでみてください!
それでは、また次回の ‟かがくらふと”で!
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